中堅中小企業のためのTRIZ

~中堅中小企業にとってこそ、TRIZは「強力な武器」になる~

中堅中小企業にとってこそ、TRIZは「経営と製品開発の強力な武器」になる

「TRIZのような開発手法は、大企業が使えば効果があるかもしれない。しかし組織が小さい中堅中小企業でそんな手法は使いこなせないし、成果も出ないだろう」...TRIZのことをご存知の中堅中小企業の経営者やマネージャの方でも、自社でTRIZを使うことに関してはそんな消極的な印象を持たれている場合が少なくありません。

しかし本当は、中堅中小企業にとってこそ、TRIZは「経営と製品開発の強力な武器」になります。

さっそくですが、下の表にまとめた「現状」と「目標」は、貴社の認識と比べて如何でしょうか?

もしこれらのひとつでも、貴社の認識と一致するのであれば、TRIZを核とする体系的開発手法の活用は、貴社の課題を解決する上で「強力な武器」となるはずです。

現状 目標(得たい成果・ありたい状態)
  • ・製品開発はしているが、なかなかヒット製品に繋がらない
  • ・競合メーカと、機能や品質、顧客価値で差別化できず、コスト競争に追われる
  • ・市場や技術の大きな変化に対応した製品が開発できていない
  • ・過去に成功した製品・事業に今も依存している。新しい事業の柱が生まれない
  • ・将来に渡り競争力の源泉となるような人材の育成ができていない
  • ・開発リソース(人・カネ・時間)が限られる中で、高い確率でヒット製品を開発できる
  • ・自社が培ってきた技術を活かして、新しい事業につながるような新製品開発ができる
  • ・変化する市場・競合環境において、顧客価値を捉え、競合とも明確に差別化された断トツ製品を開発できる
  • ・そのための企画構想・課題解決力が、開発部門に育っている

企業事例
伸和コントロールズ株式会社様の挑戦と飛躍
~限られた経営資源の中からヒット製品を生み出し続ける~

伸和コントロールズ株式会社(資本金9,000万円/従業員495名、https://www.shinwa-cont.com/index.html)は、創業当初からの電磁バルブなどの「機器事業」と、1980年代に参入した半導体・液晶製造装置向けの精密温度管理・湿度管理装置などの「装置事業」の二つの事業を展開されています。

同社では、2010年からQFD-TRIZ手法を活用した新製品開発をスタートさせました。それ以降、「コンペで連戦連勝」となるような革新的なヒット商品を開発、また医療機器や次世代エネルギーなど新規分野の開拓、JAXAの宇宙補給船の姿勢制御バルブへの採用など、目覚ましい飛躍を遂げられています。

きっかけはリーマンショック!
QFD-TRIZ手法連携で「コンペで連勝」となる新製品(精密空調装置)を開発

「リーマンショック後に低迷する受注を立て直すためになんとかヒット商品を生み出したい、しかしマーケティング専任部隊もなく潤沢な予算や人員もない、限られたリソースで如何にヒット商品を生み出すか」...そうした状況を打破するために、2010年に経営と開発トップの判断でQFD-TRIZ活用が始まりました。

最初の取り組みでは、主力事業の精密空調装置の新製品開発にQFD-TRIZを適用しました。
QFDでは、普段顧客から寄せられている何気ない言葉のリストアップからスタートし、リスト化と分析を通して顧客の真のニーズを見い出し、新製品の開発コンセプトを決定(「装置の設置床面積の大幅削減」)、そしてTRIZの課題分析・アイデア発想プロセスを適用し「サイズの縮小」のための解決策を創出しました。
その結果、50%の大幅な小型化を実現した「精密空調装置」の開発に成功し、工場のスペースを少しでも有効利用したいという顧客ニーズに見事にミートして、「コンペで連勝」になるようなヒット商品になりました。

 

同社開発本部の松田幸士部長代理(下写真左。右は弊社前古)と、山本卓司取締役副社長執行役員は、この最初のプロジェクトを次のように振り返っています。

“...QFDのニーズ分析から「フットプリント50%削減」を目標として設定し、TRIZを適用してトライしたら自然と(実現)できていたという印象でした...”(松田様) (導入企業インタビューより引用 https://www.idea-triz.com/case/shinwa2020/

“...当該製品は今でも当社の稼ぎ頭である...QFDやTRIZを推進する中で、部門や顧客別のチームの垣根を超える形で、開発コンセプトなどの情報を共有しながらプロジェクトを進めることができたのは、参加者にとっても重要な経験であった...”(山本様) (日刊工業新聞社「機械設計」(2018年9月号特集記事より引用)



「コンペで連勝」となる精密空調装置の開発に成功した翌年、
TRIZを活用し、背反特性を両立させた高耐久性の超高精度制御バルブを開発

「装置事業」の主力製品である精密空調装置の開発に成功した後、今度は「機器事業」において半導体製造装置向けの制御モータバルブの開発に取り組みました。

高価な半導体製造ラインではダウンタイムを限りなくゼロにするために長時間稼働が求められる一方、数ナノメートルという微細加工には超高精度の温度・湿度管理が求められます。制御精度を上げようとしてバルブ機構が複雑化すると、故障頻度の増大や耐久性の悪化が問題になり、制御バルブには高精度と高耐久性のトレードオフ(背反)を解決することが求められます。

この解決にTRIZを活用しました。TRIZを使って、バルブの構造を一から見直すことで、シンプルであっても超高精度の制御を可能とする構造の新しいアイデアを出して、リニアな流量制御特性を持つ高精度制御バルブの開発に成功しました。そのバルブは、顧客装置メーカの新製品の重要部品として納入が決定しました。

(導入企業インタビューより引用 https://www.idea-triz.com/case/shinwa2020/

新バルブの改良版の開発、他業界の用途向けのビジネス拡大にも、TRIZやシーズドリブンQDといった体系的開発手法を活用

半導体製造装置向けに開発した高精度制御バルブの初期開発品にはバルブ閉時に流体漏れが必ずあるという短所がありました。この問題もTRIZでアイデアを出して解決し改良版バルブを開発しました。
またシーズドリブンQD-TRIZを活用し、新しいバルブが持つ特殊な機能を活かせる新たな用途の開拓と、開拓した用途ごとに固有の課題解決にも取り組みました。
(※シーズドリブンQDは、自社が保有する材料や技術シーズを活かせる用途を探索、想定用途で勝てる商品企画構想を考える体系的プロセス)

企業事例
オーエム機器株式会社様の先入観を排除した新商品開発 ~思い込み、惰性、意見の偏りを打破するために組織的に取り組む~

オーエム機器株式会社(資本金6,480万円/従業員120名、https://www.omrex.co.jp/)は、OAフロアや住宅関連商品(シャッター、断熱物置用パネル)、福祉関連商品(トイレ用システム手すり、介護用水廻り車いす)など金属加工製品を中心とした新商品の開発・製造を行っています。
同社では、2018年から、付加価値を高め競合商品との差別化を図り、魅力的な商品を開発したいという思いから、QFD-TRIZの活用を始めました。

プロジェクトでは、近年引き合いが多く商品ラインアップも増えている福祉介護機器の開発にQFD-TRIZのプロセスを適用しました。

福祉機器事業では、大手メーカがオーエム機器の主要取引先です。販売メーカからの要望や情報に基づきオーエム機器で設計を進めるのが典型的な新商品開発の流れです。その流れで開発された商品のひとつが今回取り組んだ「据置き型の玄関手すり」でした(下図)。住宅での工事が不要でレンタルできるのが特徴です。

(導入企業インタビューより引用 https://www.idea-triz.com/case/omkiki/



この商品を開発後に、販売メーカに商品に対する市場の評価をヒアリングしたところ、「ベースが重くて持ち運びがしにくい」「ベースと床の段差が気になる」といった不満があることが分かりました。

市場の要望は十分に取り入れて開発をスタートさせたはずなのに、なぜ後からこうした声が出るのだろうか?...プロジェクトに参加された技術生産部 開発課の梅田麻衣様(写真)はそんな疑問を持たれたそうです。また今の開発のやり方では、従来商品の改善はできるが、発想が狭くて目新しい商品が生まれないという壁も感じていたそうです。

顧客のニーズをしっかり捉えて付加価値の高い魅力的な新商品を出したい、競合とも差別化を図りたい、そのためには従来の開発のやり方を打破しなければならない、そんな理由からQFD-TRIZに取り組むことになりました。



まずQFDのプロセスを活用し、同商品の最終使用者とレンタル業者の立場になり切って、使用シーンやレンタル業務シーンを想定しながら、顧客満足に繋がるニーズ抽出、ニーズ重要度分析に取り組みました。QFDの分析の結果、「ベースにつまづきにくい」「手すりが握りやすい」「メンテナンスがし易い」の3つを、顧客にとって魅力的で重要度も高いレベルアップ項目として抽出しました。

そして優先レベルアップ項目が明確になった後は、TRIZを使ってそれらを実現するための課題解決に取り組みました。TRIZの問題分析~アイデア創出のプロセスを実施した結果、400以上の課題解決のアイデアが生まれ、それらを組み合わせて、1年後、3年後、5年後を目途にそれぞれ実現する設計コンセプト(解決策)にまとめました。

前述の梅田様は、プロジェクトを実施した成果について次のようにコメントされています。

“...顕在化された顧客の声を起点に、顧客もまだ気づいていない、あるいは諦めているような潜在ニーズを抽出して、それを満たすことで魅力的な新商品を市場に届けることが必要です...ユーザが本当に求めているものが何かをしっかり考えられるようになり、圧倒的な数のアイデアを組み合わせて設計コンセプトを構想できました...”(梅田様) (導入企業インタビューより引用 https://www.idea-triz.com/case/omkiki/

体系的開発手法の連携による合理的・創造的な製品開発プロセス ~ニーズ起点の「QFD-TRIZ-TM」、シーズ起点の「シーズドリブンQD-TRIZ-TM~

伸和コントロールズ様やオーエム機器様をはじめ、私たちIDEAのクライアント企業が実践しているアプローチは、QFD-TRIZ-TM手法(もしくはQFD-TRIZ手法)の連携活用です。

QFDで「顧客の真のニーズを捉えた筋の良い新製品コンセプトを考える」、TRIZで「その新製品コンセプトを妥協なく実現するための技術課題を解決する」、そしてTMで「新しい課題解決策を信頼性の高い詳細設計に最適化」していきます。 企画構想⇒課題解決⇒高信頼性設計の各段階での「考える、発想する」を、効率よく創造的に進めることができます。



またQFDから始まるプロセスが顧客ニーズ起点であるのに対して、シーズドリブンQDは技術シーズ起点のアプローチです。
例えば上述の伸和コントロールズ様の高精度制御バルブ開発は、同社の顧客である半導体製造装置メーカのニーズに応える形で開発をスタートさせた「ニーズ起点のアプローチ」です。一方、開発した新バルブの特長を活かして、別の用途(別の顧客)向けの新製品を開発したのが「技術シーズ起点のアプローチ」です。

シーズドリブンQDでは、自社保有シーズ(材料や技術)が生み出す「機能や特長」のアイデアを広げ、そうした機能・特長を必要とする「新しい用途」を探索、そして想定した用途に対する「要求品質(ユーザ価値)」とそれを実現するための「技術課題」を抽出するまでを、体系的なアプローチで着実に実行することができます(下図参照)。シーズドリブンQDで新製品コンセプトと技術課題を抽出した後は、TRIZ-TMの連携で課題解決~高信頼性設計を進めます。



次の章では、シーズドリブンQDを活用した二つの企業の事例を見てみましょう。

企業事例
リバーエレテック株式会社様の新規事業機会の創出の取り組み ~シーズドリブンQDによる水晶Lamb波共振子の⽤途開発~

リバーエレテック株式会社(資本金10.7億円/従業員200名、http://www.river-ele.co.jp/ja/)は、水晶振動子、水晶発振器を中心とした電子デバイスメーカーです。業界において小型化をリードし、小型・高性能・高品質を支える技術を培ってきました。

同社が2014年に発表した高周波帯で超高精度の「水晶Lamb波共振子」は、技術的には高く評価されたものの、従来にない高性能が逆に災いして、既存用途の顧客ニーズとのマッチングが難しく商品化後3年間に渡り販売が進みませんでした。

そこで2017年にシーズドリブンQDのプロセスを適用し、「Lamb波共振子の機能・特長展開~用途探索~用途候補の事業性評価~想定用途のニーズとシーズのお見合い~ターゲット顧客の調査」のプロセスを実施しました。

このプロセスの結果からターゲットを北米の航空宇宙無線市場に絞り込み、シーズドリブンQDプロセスの中で仮説を立てた顧客ニーズと訴求・差別化のポイントに基づいてプロモーション活動用の資料を準備、社内の体制を整備し、ターゲットへのアプローチを開始しました。
この取り組みを推進された商品開発部の芦沢次長は、プロジェクトを振り返って次のように話されています。

“...シーズドリブンQDのシステマチックなアプローチなら、水晶Lamb波共振子を生かした新しい事業の創出に繋げることができそうだと確信しました...プレゼンをしても顧客の反応が全く違い(以前は顧客にプレゼンしても反応が薄かった)、実際に契約も取れ始めています。3年間停滞していた新技術の事業展開を、シーズドリブンQDで動かし始めることができました”(芦沢様。写真右)

(導入企業インタビューより引用 https://www.idea-triz.com/case/rivereletec/

企業事例
ニチダイ株式会社様の自社技術を起点とする新商品開発の取り組み ~シーズドリブンQD-TRIZ-TMによる、新工法コンセプトによる新規事業機会創出~

株式会社ニチダイ(資本金14億円/従業員674名、https://www.nichidai.jp/)は、⻑年培ってきた精密鍛造技術を駆使して、研究開発から部品製造まで精密鍛造に関するトータルソリューションの提供を⾏っています。主に、自動⾞部品づくりには⽋かせない冷間鍛造⾦型を国内外の自動⾞メーカや部品メーカに供給しています。

大きな変革期にある自動車業界において、ニチダイにしかないオンリーワンの技術・商品を開発したいという強い思いから、2018年にシーズドリブンQD-TRIZ-TMの手法を活用した新商品開発プロセスに取り組まれました。

この取り組みは、同社の中期経営戦略の基本戦略として掲げていた「既存事業の強靭化」と「次世代への挑戦(新規事業の立ち上げ)」への具体的な施策としての位置づけでもありました。

同社のコア技術は、切削による仕上げ後加工なしで最終製品形状を製作できることを特長とするネットシェイプ技術です。材料コスト低減、工程削減、機械加工レスといったメリットがあります。
プロジェクトで取り組んだのは、厚みを薄くする工法である「圧延」と形状を作る工法である「鍛造」を組み合わせた、「圧延+鍛造」の新工法のコンセプトでした。この新しいコンセプトの工法開発を推し進める上で、まず、新工法によりどのような新しい製品を生み出すことができるのか、どのような新しい事業を創出できるのかをしっかり考え、新工法開発の先にある市場への出口をきちんと見通そうと、シーズドリブンQDに取り組みました。

シーズドリブンQDの最初のステップでは、技術シーズが生み出す「機能・特長」として、”新工法自身”が実現する機能と特長は何か、次に新工法の結果として実現できる”形状”から生まれる機能と特長は何か...その二つの視点から、機能・特長の発想を展開しました。
そして、Goldfireソフトウェアの知識検索と、特許のFターム一覧リストを使った二つのアプローチで、その「機能・特長」を活かせる用途を探索しました。

探索した結果から想定用途候補をリストアップし、各用途の事業性を、市場性と自社適合性の二つの視点から相対評価して、ターゲット用途を絞り込みました。
そして最も優先度の高い用途として絞り込んだ「車載用電池ケース」について、簡易的な品質表を作成して、車載用電池ケース用途におけるニーズの具体化と、同社の技術で商品化したときの価値訴求点の絞り込み、その価値実現のために解決すべき重点課題の抽出を行いました。

その後、均等肉厚や断面形状強度などの技術課題についてはTRIZで、圧延長さなどの生産性やロール径などの圧延鍛造条件の最適化に関する問題はタグチメソッドで問題解決に取り組みました。

同社の新規開発プロジェクトの竹下和也様(写真左)と、伊藤直紀取締役副社⻑執⾏役員(写真中央)は、このプロジェクトを振り返って、次のようにコメントしています。

“...多くの候補用途を抽出し、客観的に「車載用電池ケース」用途を絞り込めました...製品化するために必要な技術課題も明確になり、それらの技術課題については、TRIZやタグチメソッドなどの体系的手法を活用することで解決の道筋が見えました...”(竹下様)

“...今回IDEAさんのコンサルタントと取り組んだ、「シーズ→機能→用途→商品企画」というアプローチであれば,誰でも確実に新製品を開発できる可能性があります...”(伊藤様)

(導入企業インタビューより引用 https://www.idea-triz.com/case/nichidai/

「待ちの開発」から「提案型の開発」へ
~変革期に生き残るための、「提案型開発」へのチャレンジ~

IDEAのクライアント企業に共通する目標のひとつが、「提案型開発力」の強化です。
特に中堅・中小企業において、すべてのクライアント企業といってもいいほど、「提案力」の強化が重要な課題になっています。例えば伸和コントロールズ様の最初のプロジェクトでは、プロジェクトの目標を“「御用聞き」ビジネスからの脱却”と定義し、そのためにQFDで顧客の真のニーズを見究め、TRIZでその実現コンセプトの創出に取り組まれました。

例えば自動車業界は、CASE(Connected, Autonomous, Shared, Electric)のキーワードで表される大変革期にあります。企業規模の大小に関わらず、この変革は大きな脅威であり大きな機会でもあります。次の章では、大変革期の自動車業界での生き残りをかけて、従来の「待ち受け型」の開発から、「提案型」の開発への脱却にチャレンジしている水島プレス工業様の事例を紹介します。

企業事例
水島プレス工業様の【待ち受け型製品開発から提案型製品開発】への転換の取り組み ~QFD-TRIZの連携活用~

水島プレス工業株式会社(資本金4500万円/従業員242名、http://www.mizushima-press.co.jp/)は、ステアリングシャフトやドアヒンジなどの輸送用機器メーカです。同社は2015年からTRIZを活用した技術課題解決力の強化、シーズドリブンQDを活用した新規事業のアイデア創出などに取り組んできました。そして2019年からは、QFD-TRIZの連携活用により、従来からの「待ち受け型の製品開発」から脱却し「提案型の製品開発」を目指して取り組んでいます。

自動車業界は今すさまじいスピードで変化し続けています。そんな変化の中で、自社は画期的な製品を生み出しているだろうか?
同社は従来、顧客企業からの要求形状・要求品質に基づき、高品質と低価格を実現するように部品製作を行ってきました。いわゆる「待ち受け型の製品開発」です。しかし市場の変化に対応し、将来への不安を払拭するためには、顧客の期待を大きく超え、競合企業を席巻するような、あっと驚く魅力的な製品が必要だと考えるようになりました。
そして、そんな製品開発は「待ち受け型」からは生まれません。そこで、従来の「待ち受け型」を脱却して「提案型製品開発」へ変革しようと取り組みをスタートさせました。

プロジェクトでは、戦略製品であるトラック用ステリングシャフトを取り上げました。
同製品は20年近く形状が変わらず、機能面でも大きな変化のない部品でした。しかしトラック業界は運転手不足の解消のために自動運転化が急ピッチで進んでいます。そういった時代背景も含め、今回トラック用のステアリングシャフトの次世代製品の開発コンセプトづくりに取り組まれたのです。

まずQFDのプロセスに則って、顧客企業であるトラックメーカーの担当者はもちろん、エンドユーザである運送会社のトラックドライバへのヒアリングも実施し、「顧客の声(原始情報といいます)」を収集し、それらの「顧客の声」を起点にQFDの分析作業を通じて、①現状製品の問題・ブラッシュアップ項目、②魅力的品質を実現するための技術課題を抽出しました。

しかしそのままでは新製品コンセプトは「絵に描いた餅」のままです。従来にないアイデアで技術課題を解決するために、TRIZのプロセスに従って問題分析、大量のアイデアの創出、そのアイデアを組み合わせて最適な解決策にまとめ上げていきました。

同社技術部の守屋宗真様(写真右)は、このプロジェクトの結果と現状について、次のようにコメントしています。

“...TRIZを使うことで、従来の発想からは生まれなかった、顧客の要望を満たす新構造部品のコンセプトを創出できた。さらにTRIZを使うことで製品化に向けてブラッシュアップしていきたい...”(守屋様)

(導入企業インタビューより引用 https://www.idea-triz.com/case/mizushima/

体系的開発手法の活用で、リソースが限られる中、効率的な情報収集・検討、戦略の立案、開発の推進ができる体制が構築できる

前述の伸和コントロールズ株式会社の山本氏は、日刊工業新聞社「機械設計」(2018年9月号)の特集記事の中で、取り組みの効果として次の3つを挙げています。

  1. 個人プレーからチームプレーに
    • 問題(課題)を整理して視覚化し、チームで共有しながら解決するようになった
    • チームで解決するようになり、解決法のバリエーションが広がった
    • 図面では伝わらない技術の伝承が行われるようになった
    • チームに営業担当も加わるようになった
  2. 経験依存から外部の知を活用
    • 経験に依存しがちだったが、外部の知を積極的に利用できるようになった
    • 外部の専門家との連携が進み、最新の情報に基づいて将来のニーズを考えるようになった
    • 顧客との信頼関係が醸成され、次世代技術を見据えた相談を受けることも多くなった
    • 狭い視点で考えがちだったが、多角的に考えられるようになり、発想が豊かになった
  3. 戦略的な開発活動の推進
    • 「知的財産戦略会議」を毎月開催し、開発案件の精査と特許戦略の推進を全社レベルで推進
    • 開発チーム、営業チーム共に、「温調技術のイノベータ」としての自覚が芽生え、胸を張って顧客にプレゼンし、顧客からの信頼も厚くなった

同記事末尾を、山本氏は次のように締め括られています。

“...体系的開発手法は、日本の製造業を担う中小企業の躍進を支える重要なツールであると考えており、今後も社内での活用、推進を進めていきたいと考えている...”

まずは最初の一歩を!

中堅中小企業にとってこそ、TRIZは「経営と製品開発の強力な武器」になります。 「問い合わせ」ページからご連絡ください。 私たちIDEAのプログラムやツールについてご紹介します。そして貴社の課題を聞かせて頂き、どんな取り組みができるか一緒に考えましょう。

※関連リンク(まとめ)

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