「TRIZとは?(第5回) TRIZの「科学・工学的効果(イフェクツ)」データベース(鹿倉)
こんにちは、IDEAの鹿倉です。
今までの本コラムでは、TRIZの「発明原理」(第2回、第3回)と「システム進化パターン」(第4回)を紹介しました。
今回は、TRIZの「科学・工学的効果(イフェクツ)」という知識データベースを紹介します。
「多くの製品・技術イノベーションは、その当該分野で従来から使われてきた技術の枠を超えて、他分野の技術や知識を応用することで生まれている」...膨大な特許事例や技術文献の分析から旧ソ連のTRIZ研究者たちが導き出したひとつの法則です。
他分野で既に使われている技術や科学的効果を、自社で取り組む課題解決に応用したとき、革新的な製品・技術が生まれることが多い、という意味です。
しかし、「他分野で使われている技術や効果」と言われても、それらをどう見つけたらいいのでしょう?
ひとつ探せばそれで良しという話ではなく、できるだけ多くの技術や効果を探して、それらから実際に自社の課題解決に使えるアイデア、最善のアイデアを発想しなければなりません。
インターネット検索して、検索結果をひたすら何十ページ分も読んで、いつか何かに辿り着くのを祈るしかないのでしょうか?
...そんな時間(と根気)がありますか?
それとも「”あらゆる分野”の技術や科学の生き字引」みたいな人を探して、その人に相談するしかないのでしょうか?
...皆さんの社内に本当にそんな人いますか?
さて、何か良い方法はないのでしょうか?
TRIZを使えば、もっとずっと効果的で効率的なアプローチが手に入ります!
TRIZでは、
“機能”から、分野を横断して、その機能を実現する技術や効果を調べられる「技術の逆引き辞典」とも言える知識データベースを構築したのです(膨大な調査・分析作業と、最新のセマンティック検索技術がなせるワザです)。
それがTRIZの「科学・工学的効果(イフェクツ)」知識データベースです。
例えば「摩擦を低減する」というクエリで検索すると、
膨大な情報から、「摩擦を低減する」という機能を実現する方法(技術や科学的効果)を瞬時にリストアップして教えてくれます!
その結果を俯瞰しながら、自社の課題解決の新しいアイデア(ある機能を実現するより良い方法や、まったく別のアプローチなど)を発想します。
「科学・工学的効果(イフェクツ)」知識データベースを活用することで、今取り組んでいる課題解決に対して、まったく別の「箱の外」の知識を活用して、従来のやり方に囚われないアイデアを出すことが可能になります。
鹿倉@IDEA
→コラム「TRIZとは?(第1回) ロシアで生まれた発想手法」を読む
→コラム「TRIZとは?(第2回) 背反問題を解決する」を読む
→コラム「TRIZとは?(第3回) 発明原理で背反問題を解決する(入れ子にしてみたら?)」を読む
→コラム「TRIZとは?(第4回) TRIZのシステム進化パターン」を読む